パソコン何でもQ&A

020 デジタルカメラ・デジタルビデオカメラでの撮影の基本
【1】 「デジタルカメラ」での撮影
 デジタルカメラで写した写真は、パソコンに取り込んで、不要な箇所を切り取ることが出来ます。フィ
ルムのようにフィルムを気にすることもありません。そのため、ほとんど背景を考えず、とりまくりました。
 そのうち、太陽のある時の撮影は、「照り」があって、奥行きがなく、色も褪せていることに気がつきま
した。
 また、太陽が当っている所と、そうでない所が斑になって、気分の悪い写真になることも知りました。
 そこで、太陽を避け、曇りの時に撮影するようになりました。深い曇りの時は、写真は暗くなりなり、写
真にうってつけの、「いい加減の曇り空」があることを知りました。
 室内の撮影の時、照明があると「照り」、太陽の光が差し込む室内の縁側でも「照り」、室内の内側過
ぎると暗くなりました。室内の撮影も、「いい加減の曇り空」で「いい加減の場所」があることを知りました。
【2】 初代・2代目「デジタルビデオカメラ」での撮影
 デジタルビデオカメラで撮影した動画を、パソコンでノンリニア編集しました。「リニア」とは、リニアモ
ーターカーという言葉があるように、軌道(レール)という意味です。アナログのビデオテープをダビン
グしながら編集することを、順番にレールに乗って編集するように、リニア編集といいます。
 パソコンで編集することを、レールとは関係なく、好きなところから、順番を飛ばして、編集するので、
ノンリニア(軌道に関係なく)編集といいます。
 動画の編集には、静止画のように、不要な箇所を切り取ることが出来ません。新緑の頃の自然を写し
たのに、片隅に赤いポストが写っていたり、電柱が無造作に立っていたり、電線が無慈悲に横たわって
いることがあります。悲劇です。
 背景を考えて写すようになりました。赤いポストや電柱があると、それを入れないように、右に行った
り、左に進んだり、前に入ったり、バックしたりしました。
 電線を入れないように、右往左往しました。前後往来(作者の造語)もしました。気がついてみると、大
地に腹ばっているときもありました。フィルムカメラのセミプロの人と同じポーズ(アンダーからの撮影
をしている自分に気がつき、思わず苦笑してしまいました。なんと、青空を背景に、その樹木が活き活き
と迫ってきました。
【3】 3CCD「デジタルビデオカメラ」(光学12倍)での撮影
 「弘法筆を選ばず」という諺があります。これは、ウソだと思います。人間は、眼で見たことを脳神経に
伝えて、「綺麗や」とか「凄い」と感じます。眼と脳神経との間には、かなり距離があります。
 カメラの場合も同じで、かなりの距離がなければ、人間の眼と同じような感動をとらえることが出来ませ
ん。重くて、一番長い所で18センチもある、3CCDのデジタルビデオカメラを購入しました。
 CCD(Charge Coupled Device)とは、電荷結合素子のことです。光によって生じた電荷(物質に帯電
している電気の量)の差をデジタルデータに変換して撮影画像を再生すします。アナログカメラのフィル
ムにあたります。
 1CCDは、1つの影像素子を用いて赤・緑・青の成分を得る方式です。
 3CCDは、3つの影像素子を用いて赤・緑・青の成分を得る方式です。高画質の得るには、3CCDが
勝っていることが、これで分かります。高感度のデジタルフィルムという意味です。
 デジタルズームでなく、光学ズームが12倍です。
 私は、朝は5番目以内に職場に入ります。午前中にほとんどの雑務を終えて、昼食時に職場内の花
など撮影します。ある時、昼食前に激しい雨があり、昼食時に、マクロで撮影すると、今までの花と勢い
がちがいます。花は、雨によって埃が落とされ、雨の水分を吸い込んで、水々しいのです。
 かなり雨が降った翌日のことです。午前も午後も仕事がたくさんあったので、日の出前に、マクロで花
に向かいました。雨後の花の水々しさより、艶やかなのです。「どうして今の私を写してくれなかったの
ですか」と叱られた感じでした。それ以降、私は、雨の翌日の午前5時、日の出前の撮影を心がけて
います。
 セミプロの人が、午前3時に撮影会に誘ってくれた意味が、やっとわかりました。
 朝日新聞の声欄のカットを担当していた人がいます。私の住んでいる相生市の図書館で個展があり
ました。現在、朝日新聞の兵庫の欄で、毎週日曜日に切り絵を担当している片山治之氏です。個展の
会場で、私が「いつ取材に行かれますか」と問うと、片山氏は「午前3時頃家を出て、日の光りが山際に
ほのぼのと出る瞬間、花は一番いい顔をする」と答えました。一番美しい時に撮影する。
 プロの片山氏は、私より、厳格に花の美しい時を指摘されました。参りました。人間も、仕事で疲れた
アフター5でなく、ゆっくり休養をとった、一日の初めのほうが生き生きしているものです。
 マクロモード(近接撮影)は、バラの花に焦点を合わせると、葉や草がボケて緑の背景となり、赤い花
が主役として引き立ちます。
 手前の黒く太い幹、大地に落ちた黄色い銀杏、銀杏の木々の上には、雲ひとつない青空。季節感・
立体感あふれる作品が誕生します。これを近中遠の撮影と言うそうです。
 太陽を逆光にして、新緑の葉、紅葉を撮影すると、幻想的な写真が撮れます。セミプロのカメラマンに
教えてもらった「写真は光と影の芸術」が、今、私の作品として誕生しているのです。
 相生市矢那町の羅漢の里は自然の宝庫です。動画で、相生市にある文化財を紹介するために、何
度も訪れました。何度行っても、私のイメージとぴったりの動画が撮れません。時間との戦い、季節との
戦い、「写真は待って、待って撮る」というセミプロのカメラマンの言葉がしみじみと思い出されました。
【4】 最近の「デジタルカメラ」の状況
 ソニーは光学12倍ズームのデジタルカメラを17日に発売する。510万画素で、店頭価格は6万円前
後という(2005年6月2日付け神戸新聞)。
 キャノンは光学12倍ズームのデジタルカメラを2日に発売しました。500万画素の高精細電荷結合素
子(CCD)付きで、店頭価格は6万円前後という(2005年6月3日付け朝日新聞)。
 一眼レフデジカメは10万円前後で、重い。3CCDデジタルビデオカメラは20〜30万円で、重い。
 重さに抵抗がある人には、光学12倍ズームの小型カメラは、6万円前後で、軽いという魅力があるカメ
ラです。今後、この種のカメラが、主流になると思われる。
 でも、やっぱり、動画もとれ、静止画も撮れ、将来性のある、光学12倍のデジタルビデオカメラ(10万
円前後)を推奨したいです。数年後には、動画をアップするのが当然の時代がくるでしょうから…。
 これをブロードバンド時代といいます。