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035 公的機関がしてはいけないこと(9)-ホームページは1ページ6万バイト以上にしない
【1】 ホームページは見る人の立場で作る
 最近、ホームページを作った若い人から、感想を聞かれる機会が何件かありました。
 私は光ファイバーですから、殆どのページは、瞬時に表示されます。一瞬と惑ったような感じで表示され
る場合は、その写真を右クリックして、「プロパティ」を押すと、その写真の容量が表示されます。大体10万
バイトを超えています。
 全ての人に快適に見てもらう場合、1ページは6万バイトにすることをアドバイスします。すると、6万バイト
にする根拠を聞いてきます。
 私は、「現在ブロードバンドの時代と言っても、半数近くの人がナローバンドです。ダイヤル接続の場合
1秒間に送れるのは7000バイト、ISDNでも1万6000バイトです。6万バイト以下にしないと、見たくても誰も
見れませんよ」と解説します。
 ブロードバンドから始めた人は、ダイヤル接続・ISDNの存在に気がついていませんでした。今、アップす
る人は、こういう立場の人に配慮すべきであり、税金を使う公的機関は当然のことです。
 最近、ある実験をしました。1メガバイト(100万バイト)の容量のページをダイヤル接続・ISDN・ADSL・光
ファイバーの人に見てもらいました。表示に要する時間と表示を待てる時間をお聞きした結果が以下の通り
です。
種 類 表示に要した時間 表示を待てる時間 これでは、多くの人
が逃げていきます。
ナロー
バンド
ダイヤル接続 60秒 10秒以内
I S D N 13秒 5秒以内
ブロード
バンド
A D S L 23秒 5秒以内
A D S L 11秒 5秒以内
光ファイバー 0.5秒 3秒以内
 10月28・29日に陸の公民館で作品展がありました。私たちは、インターネット上で参加しました。
陸公民館作品展←ここをクリックして下さい。
 1ページを6万バイト以下にしているため、ダイヤル接続の方でも、1秒以内で、スムーズに閲覧出来たと
いう話を聞きました。
 いくら素晴らしい作品であっても、全ての人にスムーズに見てもらう配慮が必要です。
 ホームページは、作る人のために作るのでなく、見る人の立場で作るものです
 作ったホームページは、ダイヤル接続で見るか、見てもらいましょう。これが鉄則です。
【2】 *追加:ブロードバンド普及率(総務省平成18年9月:兵庫県は2軒に1軒がナローバンド)
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 (1)全国平均50.5%
(2)兵庫県は52.5〜
 36.1%の間。つま
 り、2軒に1軒がま
 だナローバンド
(3)兵庫県は46.5%
(2006年3月現在)

東京 神奈川 千葉 埼玉 大阪 静岡 奈良 愛知 福井 滋賀
67.1 63.0 56.8 56.4 56.4 54.5 54.3 54.0 52.9 52.8
38 39 40 41 42 43 44 45 46 47
福島 熊本 沖縄 佐賀 長崎 宮崎 岩手 青森 高知 鹿児島
36.1 35.9 35.7 34.9 34.6 33.7 33.4 32.4 29.4 26.9
【資料】 ブロードバンドサービス普及率(総務省平成18年3月末現在)
都道府県 合計 DSL FTTH CATV
契約数 普及率 契約数 普及率 契約数 普及率 契約数 普及率
合計 23,285,037 46.2% 14,517,859 28.8% 5,457,697 10.8% 3,309,481 6.6%
兵庫県 1,027,952 46.5% 612,964 27.7% 270,101 12.2% 144,887 6.6%
【3】 1ページ6万バイト以下にする根拠を明示します
 ブロードバンド(広帯高速通信回線)が騒がれていますが、現在ブロードバンドの使用者は2分の1で、残り
の2分の1はダイヤル接続1秒間に5万6000ビット=1ビットは8分の1バイトなので7000バイトなので、
1文字が2バイトと計算すると3500文字送信)やISDN(1秒間に12万8000ビット=1万6000バイト送信)
です。ナローバンドでは、6万バイトでもギリギリなのです。
ダイヤル接続 56kbps 5万6000ビット 7000バイト この数値は最良の時で
混雑している時はこの
数倍も遅くなります。
I S D N 128kbps 12万8000ビット 1万6000バイト
低速ADSL 1.00Mbps 100万0000ビット 12万5000バイト
相生市矢野地区 7.61Mbps 761万0000ビット 95万1000バイト
高速ADSL 47.00Mbps 4700万0000ビット 587万5000バイト
光ファイバー 100.00Mbps 10000万0000ビット 1250万0000バイト
【4】 「市役所や学校のホームページは税金やから」という批判
 市役所や学校のホームページで1ページ10万バイトや20万バイトのページを閲覧して、表示されないという
人の話をよく聞きます。しかし、作った側に問題があると認識する人はなくて、表示されないパソコン環境にあ
る自分が悪いという人が殆どです。
 最近、「市役所や学校のホームページはいい環境で、ホームページスペースも税金で買うから、相手のこと
なんか考えないで作っている」と指摘する人に出会いました。私も同感です。
 個人のパソコン環境を整えようとすると、お金が要ります。1ページに1メガを使用すると、10ページで無料
スペースを使い切ります。あとは、お金を出して、スペースを増やします。
 公的機関は、税金でパソコン環境を整え、税金で不足のスペースを買い足します。しかし、半分近くの人が
閲覧できません。税金を使って欠陥商品を作り、販売しているのです。
【5】 今回得た教訓
 インターネットを最初から、ブロードバンドで始めた人は、「皆はブロードバンドを使っている」と思ってい
ました。ナローバンドの存在する気がつかなかったといいます。若い担当者なら、あり得ることです。
 しかし、指導的立場の人なら、それぞれの市や町、学校の校区の実態を把握するべきだと思いました。
 市や町の公報、学校便りが遠方だからといって届けられなければ、公的機関に当然文句を言うでしょう。
 しかし、ナローバンド故に、公報や学校便りが閲覧できなかった場合、自分の環境を悪いまま放置している
として、公的機関に文句を言わず、自分の責任にしていることが分りました。
 これが、公的機関を怠惰にさせている原因だということも分りました。
 今や情報化社会といいます。インターネットは、新聞やTVと同じか、それ以上の影響力を発揮しています。
 その情報を享受できる人とそうでない人のことを情報格差といいます。
 公的機関が発信するインターネット上の情報が閲覧できる人と出来ない人がいる場合、これも情報格差で
す。指導的立場の人は、情報格差を黙認してはいけません。
【6】 私の住んでいる市で変化が!!
 追伸:最近、私の住んでいる市の小学校のホームページに変化がありました。以前は、金太郎飴のようにど
の小学校のホームページを見ても、無味乾燥で顔のない、地図も1メガ以上とやたらと重いものでした。それ
が、ホームページビルダーで作成し、写真も1ページ6万バイト前後になり、各学校が作成した顔のあるページ
になっているのです。私の知っている色々な方からの指摘で知りました。他の小学校・中学校も先駆的なペー
ジを参考にして、いずれ、近隣にも誇れるホームページになるでしょう。
 もう一つ、市長のページがホームページビルダーで作成し、写真も1ページ6万バイト以下になっていました。
「ダイヤル接続の方から、スムーズに見れるようになったで!」というメールがありました。
市・町長のページは、他市町の人から言うと、その市・町の顔ですから、ホームページの技術を推量するのに
参考になります。 
 ここに至るまで10年以上かかりました。しかし、この2つの変化を知り、私の1つの役目も終わった気がします。
【7】 軽くする理由は分ったが、そのやり方が分らない
 最近、軽くする理由は分ったが、そのやり方が分らないという人からメールが入りました。
 以前、「勉強はしなけらばならないということは分ったが、そのやり方が分らない」という子どもがいました。
 もっと早く、簡単に軽くする方法をアップすべきだったと反省しています。
 具体的に写真を軽くする実践例←ここをクリックして下さい。