進歩とは、課題を見つけ、課題を克服することにあり(01)
大学ノートの長所と課題

 私は、赤穂で生まれ、赤穂で育ちました。当時の大人は、浅野家は常陸(茨城県)笠間から来たよそ者であるとか、赤穂城が断絶した時は、赤穂の人は餅をついて喜んだとか、集団リンチ事件だったなどという意見が多数派で、私も忠臣蔵には何となく抵抗を感じていました。つまりアンチ忠臣蔵でした。
 私は、大学時代、松島栄一氏の『忠臣蔵』(岩波新書)に出会い、また、松島氏から「忠臣蔵は史料をして語らしめよ」(忠臣蔵は史料だけでも、日本の思想史になる)と言われました。
 そこで思いを新たにして忠臣蔵史料の収集にかかりました。大学ノートに史料を見つけ次第、アットランダムに筆記していきました。
 ある程度集まった段階で論文を書こうとするが、必要な史料は大学ノートのどこにあるのかさっぱり分からない。共通の項目を探すのに膨大な時間を消費してしまった。
 大学ノートにアットランダム(デタラメ)に筆記することの問題点、つまり課題を見つけました。
 では、どうすれば、その課題を克服できるのか、必死で、色々な人に話を聞いたり、様々な本を読みました。
 ついに見つけました。それについては、次回に紹介します。