進歩とは、課題を見つけ、課題を克服することにあり(02)
カード方式の長所と課題
(1)前回は、大学ノートに史料を見つけ次第、アットランダムに筆記し、その結果、必要な史料が大学ノートのどこにあるのかさっぱり分からない課題を報告しました。
(2)今回は、その課題を克服するために、梅棹忠夫氏の京大式カード方法を学びました。『知的生産の技術』(岩波新書)として、現在も入手できます。
 この法式は、1カードに1項目(史料)を記録します。
 カードの左側が項目別のパンチ穴になっています。
 カードの上側がアイウエオ順のパンチ穴になっています。
 項目(史料)の内容によって、パンチ穴を切り取ります。その穴を千枚通しで篩(ふる)いに掛けると、ある時代のある項目だけが残ります。目的の史料を探すのに、非常に便利になりました。
(3)まずカードの右側の項目別から「忠臣蔵刃傷事件」の「刃傷」のパンチ穴に千枚通しでカードを選抜します。
(4)「刃傷」のカードから「公家から見た」カードを選抜します。その時は、カードの上側の「ク」のパンチ穴に千枚通しを入れます。
(5)こういう作業を通して、刃傷事件を公家から見た史料が残ります。結局、4枚のカードが残りました。
(6)では、この法式に問題はないのか、ということです。
 実は、必要な史料は簡単に見つかったのですが、その史料を、その都度書き写すという問題があったのです。膨大な手間と時間と紙代の浪費という課題です。
 皆さんは、この課題をどう解決されましたか。