進歩とは、課題を見つけ、課題を克服することにあり(04)
初めてのパソコンで、情報処理と分業・協業の極意に接する

ワープロの課題
(1)表示画面が5行と改良されたが、まだ全体のレイアウトが把握できず、文字入力に苦労しました。
(2)固有名詞(特に人名や歴史用語・地名)などの単語登録もほとんど出来ませんでした。
(3)フロッピーが100枚以上になると、目的のデータを読み出すのに、手間と時間を浪費しました。

ワープロ(東芝ルポ)か一太郎(NEC98)かの選択に悩む
写真(1)
 写真(1)はNECのラップトップノートパソコンのPC・9801LXです。

東芝ルポのデータを国民的ワープロ「一太郎」にコンバートするソフトの出現
(1)フロッピー1枚が数千円する時代です。100枚以上も購入していました。約30万円の投資していました。しかし、お金より、再度入力し直す手間と時間を考えると、ノートパソコンには踏み切れませんでした。
(2)そうした時、転勤してきた地理の先生から、東芝のルポのデータを一太郎にコンバートするソフトを紹介されました。
(3)そこでためらわず、一太郎が使えるノートパソコン(当時はラップトップ式)を購入しました。東芝ルポを購入して4年目の1989年でした。

パソコンの魅力
(1)忠臣蔵の人名や日本史の固有名詞も第三水準以外はすべて単語登録
(1)使用しているワープロソフトは一太郎V3であるが、データ保存容量は2HDの1MB (漢字50万文字分、教科書1冊分)が使用できるようになった。その結果史料集(53 行×35文字×70頁)は1枚、教材(53行×35文字×273頁)は2枚に保存でき、保存したデータは2003年の今も修正・加筆しながら現役を統けている。
(2)表示は20行と飛躍的に増加した。
(3)単語登録も無限に近く、山川出版社の『日本史 用語集』に出てくる固有名詞の全てはフロッピー1枚に収まり、日本史教科書の固有名詞を普通名調のごとくブラインドタッチで入力することが出来る。
(4)仕事の延長が趣味の延長の論理からすると、忠臣蔵の史料(txt形式)のほとんどが1枚のフロッピーに保存できるようになった。また忠臣蔵に登場する約700人はもちろん、それ以外の地名・職制などの歴史用語も単語登録することが出来た。

(2)データベースと惰報処理の定義を明確に区別する
写真(2)
 写真(2)は、情報処理化された史料集の目次です。
(1)パソコンで入力されたデータは、データベース(情報)といいます。
(2)データベース(情報)をリンク(リレーション)化して、検索・印刷・情報発信することを情報処理といいます。
(3)この区別が明快でない場合、「ワープロさえあれぱ、パソコンはいらない」という誤解となります。
(4)パソコンを購入したことで、データベースと情報処理の区別ができました。

(精細写真4万2310バイトがご覧になれます)
写真(3)
 写真(3)は、情報処理によって印刷された史料です。
(1)写真(2)のパソコン上の目次から、教科書の152頁の12行目に出てくる鉄砲伝来の史料を印刷して生徒に配布したいと思います。
(2)そので、写真(2)の目次の「k001」を入力します。
(3)写真(3)がパソコン上に表示されます。確認して、印刷の指示をパソコンに与えると、自動的に印刷されます。

データ(情報)は後で使う前提で入力する
(1)当時、情報処理をできるソフトは、「dBASEVPLUS」というソフトです。リレーショナルデータベースと言われます。
(2)史料のデータは古代・中世で578編、近世で527編、近代・現代で528編の計1633編あり、各々にコード番号を付しておきます。
(3)1人ですると、膨大な手間と時間がかかります。これを分業・協業すれば、手間と時間の節約が可能です。

課題は次回へ