進歩とは、課題を見つけ、課題を克服することにあり(05)
ラップトップ・パソコンの魅力と課題
(1)忠臣蔵の人名や日本史の固有名詞も第三水準以外はすべて単語登録出来るようになりしました。
(2)2HDのフロッピー1枚に史料集1冊(53行×35文字×70頁)、2枚に教科書1冊(53行×35文字×273頁)が保存できるようになりました。
(3)画面表示は20行と飛躍的に増加しました。

写真(1)
 写真(1)はNECのラップトップノートパソコンのPC・9801LXとフロッピー(FD)です。

パソコンの魅力
(1)データベースと惰報処理の定義を明確に区別する
(精細写真2万3370バイトがご覧になれます)
写真(2)
 写真(2)は、情報処理化されたセンターテスト用小テストの作成例です。
(1)パソコンで入力されたデータは、データベース(情報)といいます。
  センターテスト用の小テスト問題は、最初、古代・中世1183問、近世1325問、近代・現代1565問の計4073問作成しました。その後、追加され、最後には、6700問になりました。
 コード番号を任意に入力すれば、ありとあらゆる変化に富んだ小テスト問題が作成できます。

参考資料(小テスト用問題6700問より)
1001:ペリーを派遣して,日本に開国を要求したアメリカ第13代大統領(在任1850〜53)は誰か。
1002:16世紀中頃から19世紀にかけて来航した欧米船の通称を何というか。
1003:853年長崎に来航し,条約締結を要求したロシア極東艦隊司令長官は誰か。
1004:1853年,徳川斉昭が任じられた海防問題を担当する幕政参与を何というか。
1005:1854年,応接係林緯(大学頭)とペリーが神奈川近くの横浜村で調印した条約を何というか。
1006:1854年日米和親条約の締結で開港された伊豆半島南端の港を何というか。
1007:外国において自国の通商促進や自国人の援助を行う職を何というか。
1008:アメリカとの条約が締結されたあと、プゥチャーチンと江戸幕府とで、条約が締結された。この条約を何というか。
1009:ペリー来航以後,幕政の責任者として外交方針を指示した備後福山藩主は誰か。
1010:ペリー来航以後,外交に関し積極的に意見を上申した伊予宇和島藩主は誰か。
(2)データベース(情報)をリンク(リレーション)化して、検索・印刷・情報発信することを情報処理といいます。
(3)写真(2)は、(1)のデータベースを情報処理化したものです。
 「dBASEVPLUS」(リレーショナルデータベースのソフト)で小テスト用のプログラムを組みます。6700点から必要な10点のコード番号(例:1008)を入力すると、それに対応した問題が表示されます。10問完成すると、印刷し、生徒に配布して、小テストを実施します。
(4)小テストの原簿を作成するのが大変です。分業と協業で一度作成すれば、ながーく使えます。
(5)プログラムはベテランなら1時間程度で作成できます。
(6)こうした発想を情報処理化の発想といいます。

写真(3)
 写真(3)は、進路様の情報処理画面です。
(1)パソコンが苦手な人でも、入力できる、かなり高度なプログラムです。
(2)番号の1:は、普通は模試業者からCDでデジタルデータが送られてきます。自動的に、模試結果が照合・統合されるようになっています。
(3)番号3:は、受験校・学部・学科・推薦(一般)・合否・最終進学先などを「0〜9」(テンキー)で入力できるようになっています。
(4)番号H:は、文科省・兵庫県などに提出する卒業数と同じ卒業後の進路先の統計を自動的に検索・印刷するプログラムです。
(5)一度必要な情報(データ)を入力すると、色々な用途に応じて、一度に、短時間に、検索・印刷できるプログラムです。
(6)これを情報処理と言います。

データ(情報)は後で使う前提で入力する
(1)膨大な情報(データ)は入力が大変です。しかし、後は、とても助かります。
(2)膨大な情報(データ)を入力するために、分業と協業という方法を採用します。
(3)分業と協業には、照合・統合できるように、規則を設定し、それを遵守することが必要です。
(4)情報処理のソフト(当時は「dBASEVPLUS」、現在は「ACCESS」)は、難解です。
(5)最高にパソコン環境の整った学校では、各学年に1人、教務と進路に各1人の合計5人がいました。こういう人が核になり、人材を開発していきました。

ラップトップ・パソコンの課題
(1)持ち運びが可能とはいえ、重い重い。
(2)ハードディスクがなく、フロッピー上で作業をするために、処理速度が遅い遅い。dBASEは2万レコードを軽々と処理が出来るのに、フロッピーでは5000レコードが処理の限界である。
(3)データベース化はワープロが出来る人なら誰でも出来る。しかし情報処理化が出来る人は少数しかいないので、どうしても一部の人に仕事が集中する。
(4)パソコン関係の予算は膨大で、個人情報など重要な問題が山積している。しかし、管理職にはパソコンに疎い人が多く、学校では、パソコンの仕事は委員会組織に位置付けられ、部課と兼務になっている所が多い。
(5)学校で出来ない時は、家に持って帰る。妻からは「私はコンピュータウィドーね」とひやかされる。まったくのボランティアである。そのためパソコンに手を出さないという先生もいる。人材的にも大きな損失である。