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「国分寺造立の詔」

『続日本紀』
「天平十三年三月乙巳条
詔して日く、朕薄徳を以て忝くも重任を承け、いまだ政化を弘めず、寤寐多く慚ず。古の明主は皆先業を能くして、国泰らかに人楽しみ、災除き福至る。何の政化を修めてか、能く此の道を□さんや。(中略)経を案ずるに云く。若し国土に購宣読誦、恭敬供養して此の経を流通する王有らば、我等四王、恒に来りて擁護し、一切の災障、皆消殄せしめん。憂愁疾疫も亦除き差えしめ、所願心に遂げて、恒に歓喜を生ぜん者り。宜しく天下諸国をして、各敬みて七重塔一区を造り、并に金光明最勝王経・妙法蓮華経各一部を写さしむべし。朕又別に擬して金字の金光明最勝王経を写し、塔ごとに各一部を置かしめん。冀う所は、聖法の盛んなること天地とともに永く流え、擁護の恩幽明に被しめて恒に満たんことを。(中略)又国ごとに、僧寺には封五十戸・水田十町を施し、尼寺には水田十町。僧寺には必ず廿僧有らしめ、其の寺の名を金光明四天王護国之寺となし、尼寺には一十尼あって、其の寺の名を法華滅罪之寺となし、両寺相共に宜しく教戒を受くべし。(中略)其の僧尼は、毎月八日には必ずまさに最勝王経を転読すべし。月半ばに至るごとに戒羯磨を誦し、毎月六斎日には公私漁猟殺生することを 得ざれ。国司等宜しく恒に検校を加うべし」



史料
現代語訳や解説については下記を参考にしてください
『詳説日本史史料集』(山川出版社)
『精選日本史史料集』(第一学習社)
『日本史重要史料集』(浜島書店)
『詳解日本史史料集』(東京書籍)