(s0126)

「天台の教義と最澄の立場」

『叡山大師伝』
「延暦二十一年上表
(上略)
此国に現に伝うる三論と法相と、二家論をもって宗となす。経宗たらざるり。三論家は、竜猛菩薩造るところの中観等の論を宗となす。ここをもって一切の経文を引きて自宗の論を成し、経の義を屈して論の旨を随わしむ。また法相家は、世親菩薩造るところの唯識等の論を宗となす。ここをもって一切の経文を引きて自宗の義を成し、経の文を折ぎて論の旨に随わしむ。天台はひとり論宗を斥け、特に経宗を立つ。論はこれ経の末、経はこれ論の本。本を捨てて末に随うは、なお上に背き下に向かうがごとし。経を捨てて論に随うは、根を捨てて葉を取るがごとし」



史料
現代語訳や解説については下記を参考にしてください
『詳説日本史史料集』(山川出版社)
『精選日本史史料集』(第一学習社)
『日本史重要史料集』(浜島書店)
『詳解日本史史料集』(東京書籍)