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「神身離脱の思想」

『多度神宮寺伽藍縁資材帳』
「去んぬる天平七年歳次癸卯十二月庚戌朔廿日丙辰を以て、神社の東に井於道場あり。満願禅師居住し、阿弥陀丈六を敬造す。時に人あり、託神していう。『我は多度の神なり。吾久劫を経て重き罪業を作し、神道の報いを受く。今冀くは、永く神身を離れんがため、三宝に帰依せんと欲す』と。かくの如く託して訖んぬ。忍ぶこと数遍たりといえども、猶いよいよ託すと云々。ここにおいて満願禅師、神坐す山の南辺を伐り掃き、小堂及び神の御像を造立し、号けて多度大菩薩と称す。次いで当郡の主帳外七位下水取月足、銅鐘を鋳造し、あわせて鐘台を儲けて施し奉る。次いで美濃国の近士県主新麻呂、三重塔を施し奉る」



史料
現代語訳や解説については下記を参考にしてください
『詳説日本史史料集』(山川出版社)
『精選日本史史料集』(第一学習社)
『日本史重要史料集』(浜島書店)
『詳解日本史史料集』(東京書籍)