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「良吏の登用」

『日本文徳天皇実録』
「仁寿二年二月条
壬戌、越前守正五位下藤原朝臣高房卒す。(中略)天長四年春従五位下を授けられ、美濃介を拝す。威恵兼ね施し、属託行わず。□状を発□し、境に盗賊無し。安八郡に陂渠有り。堤防決壊し、水を蓄うるを得ず。高房堤防を修めんと欲するに、土人伝えて日く、『陂渠に神有りて水を□ぐを欲せず。これに逆らう者は死す。故に前代の国司廃して修せず』と。高房日く、『苟くも民に利あらば死すとも恨みず』と。遂に民を駆りて堤を築き、潅漑流通す。民今に至るまでこれを称す。(中略)後備後・肥後・越前等の守を歴、所在績有り。(中略)卒する時年五十八」



史料
現代語訳や解説については下記を参考にしてください
『詳説日本史史料集』(山川出版社)
『精選日本史史料集』(第一学習社)
『日本史重要史料集』(浜島書店)
『詳解日本史史料集』(東京書籍)