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「栄爵の成立」

『小右記』
「長和五年六月条
十二日甲申、巳の剋ばかり、束帯して摂政殿に参じ、則ち以て謁し奉る。(中略)余申して云く、『神泉苑は竜王の住所なり。(中略)先日蜜々件の苑を見るところ、四面の垣悉く破壊し、不浄の汚穢池中に盈ち満つ。公家□垣を全くせらるべきものなり』と。摂政日く、
『木工寮垣を築くべし』と。余申して云く。『木工寮力及ぶべからず。爵料を以て垣を築く料に充てらるれば忽ちに成るべきか。勤公の者を以て行事とせば極めて佳かるべし』と。摂政日く、『四百石ばかりを以て築き固むべきか』と。左大弁道方云く、『朱雀院の垣を築くの料を以て今准え思うに、爵料の剰を以て充て用うべし』者り」



史料
現代語訳や解説については下記を参考にしてください
『詳説日本史史料集』(山川出版社)
『精選日本史史料集』(第一学習社)
『日本史重要史料集』(浜島書店)
『詳解日本史史料集』(東京書籍)