(s0171)

「富裕農民の国衙への対捍」

『類聚三代格』
「太政官符
  まさに所部に居住する六衛府の舎人等の、国司に対捍し官物を進らざるを科罪すべきの事
右、播磨国の解を得るにいわく、この国の百姓、過半はこれ六衛府の舎人なり。初め符牒ありて国を出でて以後、偏えに宿衛と称して課役を備えず、田疇を領作して正税を受けず。無道を宗となし、国郡に対捍す。あるいは作るところの田の稲、私宅に苅り収むるの後、その倉屋ごとに争いてY札を懸け、本府の物と称し、勢家の稲と号す。あるいは事已むをえず、収納使等認徴の時、是非を弁ぜず捕えてもって凌轢す。ややもすれば群党を招き、ほしいままに濫悪を作す。(中略)左大臣宣す。(中略)聞くならく、諸衛の舎人いまだ皇憲を知らず、専ら宿衛を怙み、国郡を蔑尓すと。すでに所部の民たり、なんぞ宰吏の政を扞がん。よろしく教喩を加え、違背することなからしむべし。
  昌泰四年閏六月廿五日」



史料
現代語訳や解説については下記を参考にしてください
『詳説日本史史料集』(山川出版社)
『精選日本史史料集』(第一学習社)
『日本史重要史料集』(浜島書店)
『詳解日本史史料集』(東京書籍)