(s0228)

「南都・北嶺の争い」

『石清水文書』
「爰に頃年以来かた、神人は濫悪を先と為し、緇侶、貪□を本と為して、或は公私の田地を押領し、或は上下の財物を掠め取る。京畿を論ぜず、辺垂を嫌はず、党を結び、群を成して、城を填み、郭に溢る。啻に人民を滅亡するのみに非ず、兼ては同侶同伴も鎮に合戦を成す。学を抛ちて刀兵を横たへ、方袍を脱ぎて甲冑を被りたり。梵宇を焼失し、房舎を破斫す。弓箭を携へて左右の友とし、矢石を以て朝夕の翫とす。(中略)宰吏明らかに知るとも、禁制に力無く、憲台近く見るとも、糾弾に憚あり。遂に正法を忘れて、已に律儀を破る。譬ば獅子の身中の虫の、自ら獅子を食ふが如し。今興福延暦等の両所、互に訴訟を成して、趣縦横に渉れり。 物として禁止することなく、皇憲もいかならず。各威猛を施して只戦闘を企つ」



史料
現代語訳や解説については下記を参考にしてください
『詳説日本史史料集』(山川出版社)
『精選日本史史料集』(第一学習社)
『日本史重要史料集』(浜島書店)
『詳解日本史史料集』(東京書籍)