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「平氏の権勢」

『玉葉』
「嘉応二年七月十六日
ある人日く、昨日摂政、法成寺に参らんと欲さる。而るに二条京極辺に武士群集し、殿下の御出を伺うと云々。これ前駆等を搦むべきの支度と云々。(中略)これ則ち乗逢の意趣と云々。末代の濫吹、言語及ばず。悲しき哉。
十月二十一日。ある人云く、摂政参り給うの間、途中において事あり、帰り給い了ぬと云々。(中略)摂政参り給うの間、大炊御門堀河辺に武勇の者数多出来し、前駆等悉く馬より引き了ぬと云々。ただ恨む、五濁の世に生まるるを。悲しき哉、悲しき哉。
十月二十二日。昨日のこと巷説種々なり。但し前駆五人の中四人においては本鳥を切られ了ぬ。猶、武勇の家、他に異なる歟。夢の如し」



史料
現代語訳や解説については下記を参考にしてください
『詳説日本史史料集』(山川出版社)
『精選日本史史料集』(第一学習社)
『日本史重要史料集』(浜島書店)
『詳解日本史史料集』(東京書籍)