(s0264)
「歴史観」 |
『大鏡』 |
「さいつころ雲林院の菩提講にまうでて侍りしかば、例の人よりはこよなう年老い、うたてげなる翁ふたり嫗といきあひて、同じ所に居ぬめり。あはれにおなじやうなる者の様かなと見侍りしに、これらうち笑ひ見かはしていふやう、年頃昔の人に対面して、いかで世の中の見聞く事どもに聞えあはせん。(中略) 大犬丸をとこ、『いできゝ給へや。歌ひとつ作りて侍り』といふめれば、世継、『いと興ある事なり』とて、『うけ給はらむ』といふ。繁樹、いとやさしげにいひ出づ。 あきらけき 鏡にあへば 過ぎにしも いまゆくすゑの ことも見えけり といふめれば、いたく感じて、あまたたび誦じて、うめき返し、 すべらぎの あともつぎつぎ かくれなく あらたに見ゆる ふる鏡かも」 |
現代語訳や解説については下記を参考にしてください |
『詳説日本史史料集』(山川出版社) |
『精選日本史史料集』(第一学習社) |
『日本史重要史料集』(浜島書店) |
『詳解日本史史料集』(東京書籍) |