(s0268)
「福原遷都」 |
『方丈記』 |
「治承四年条 同じ年水無月の比、にはかに都遷り侍りき。いと思ひの外なりし事なり。大かた、この京のはじめを聞ける事は、嵯峨の天皇の御時、都と定まりにけるより後、既に四百余歳とへたり。異なる故なくてたやすくあらたまるべくもあらねば、是を世の人たやすからず憂へあへるさま、実にことはりにも過ぎたり。されどとかくいふかひなくて、帝より始めたてまつりて、大臣公卿みなことごとくうつろひ給ふ。(中略)軒を争ひし人の住居、日を経つつ荒れゆく。家はこぼたれて、淀川に浮び、地は目のまへに畠となる。人の心みな改りて、たゞ馬・鞍をのみ重くす。牛車を用する人なし。西南海の所領を願ひて、東北国の庄園をば好まず。その時、おのづから事の便りありて、津の国の今の京に至れり」 |
現代語訳や解説については下記を参考にしてください |
『詳説日本史史料集』(山川出版社) |
『精選日本史史料集』(第一学習社) |
『日本史重要史料集』(浜島書店) |
『詳解日本史史料集』(東京書籍) |