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「富士川の対陣」

『平家物語』
「治承四年十月十六日条
その夜の夜半ばかり、富士の沼にいくらもむれゐたりける水鳥どもが、なににかおどろきたりけん、たゞ一どにばっと立ちける羽音の、大風いかづちなどの様にきこえければ、平家の兵共、『すはや源氏の大ぜいのよするは。斎藤別当が申つる様に、定て搦手もまはるらん。とりこめられてはかなうまじ。こゝをばひいて尾張河洲俣をふせけや』とて、とる物もとりあへず、我さきにとぞ落ゆきける」



史料
現代語訳や解説については下記を参考にしてください
『詳説日本史史料集』(山川出版社)
『精選日本史史料集』(第一学習社)
『日本史重要史料集』(浜島書店)
『詳解日本史史料集』(東京書籍)