(s0277)

「守護地頭の設置」

『吾妻鏡』
「文治元年十一月十二日条
 (中略)凡そ今度の次第、関東の重事たるの間、沙汰の篇、始終の趣、太だ恩食し煩うの処、因幡前司広元申して云く。世已に澆季、梟悪の者尤も秋を得るなり。天下に反逆の輩有るの条、更に断絶すべからず。而るに東海道の内に於いては、御居所たるに依りて、靜謐せしむと雖も、奸濫定めて他方に起らんか。之を相鎮めんがため、毎度東士を発遣せらるるは、人々の煩なり、国の費なり。此次を以て、諸国の御沙汰を交え、国衙・庄園毎に、守護・地頭を補せらるれば、強ち怖るる所有るべからず。早く申し請わしめ給うべしと云。二品、殊に甘心し、此儀を以て治定す。本末の相応、中言の然らしむる所なり。
 十一月廿八日条
 諸国平均に守護・地頭を補任し、権門・勢家・庄公を論ぜず、兵粮米段別五升を宛て課すべきの由、今夜、北条殿、藤中納言経房卿に謁し申すと云々」
十一月二十九日条
 北条殿申さるるところの諸国守護地頭兵粮米の事、早く申す請うに任せて御沙汰あるべきの由、仰せ下さるるの間、師中納言、勅を北条殿に伝えらると云々」



史料
現代語訳や解説については下記を参考にしてください
『詳説日本史史料集』(山川出版社)
『精選日本史史料集』(第一学習社)
『日本史重要史料集』(浜島書店)
『詳解日本史史料集』(東京書籍)