(s0281)

「幕府の成立」

『神皇正統記』
「かくて平氏滅亡してしかば、天下もとのごとく君の御まゝなるべきかとおぼえしに、頼朝勲功まことにためしなかりければ、みづからも権をほしきまゝにす。君も又うちまかせたれにけらば、王家の権いよいよおとろへにき。諸国に守護をおきて、国司の威をおさへしかば、吏務と云こと名ばかりに成ぬ。あらゆる庄園郷保に地頭を補せしかば、本所はなきがごとくになれりき。頼朝は、(中略)建久の初にはじめて京上して、やがて一度に権大納言に任ず。又右近の大将を兼す。頼朝しきりに辞申けれど、叡慮によりて朝奨ありとぞ。程なく辞退してもとの鎌倉の館になんくだりし。其後征夷大将軍に拝任す。それより天下のこと東方のまゝに成にき」



史料
現代語訳や解説については下記を参考にしてください
『詳説日本史史料集』(山川出版社)
『精選日本史史料集』(第一学習社)
『日本史重要史料集』(浜島書店)
『詳解日本史史料集』(東京書籍)