(s0309)

「地頭請所」

『円覚寺文書ー富田庄領家雑掌有宗契状』
「尾張国富田荘領家年貢の事
 右、彼の年貢に於ては、承元五年の北条殿の御請文に任せて沙汰あるべきの処、連々対捍の間、訴訟に及ぶと雖も、所詮、損否を論ぜず、毎年十一月中に佰拾貫文、京進せらるべきの由、請文をださるるの上は、未進の訴訟と云ひ、巡見使の入部と云ひ、停止せられ畢んぬ。但し佃参町は元より請分の外たるに依て、雑掌の進止は今更子細あるべからず。若しこの請文に背き、遅々違犯に及ばば、且は本所を興行し、且は承元の本請文に任せて沙汰あるべき者なり。仍て後日の為の状、件の如し。
 嘉暦弐年五月十八日                   有宗(花押)」



史料
現代語訳や解説については下記を参考にしてください
『詳説日本史史料集』(山川出版社)
『精選日本史史料集』(第一学習社)
『日本史重要史料集』(浜島書店)
『詳解日本史史料集』(東京書籍)