(s0315)

「貨幣の流通」

『貞応弘安式目』
「陸奥国郡衙の所当の事
  准布を止めらるるの例を以て、沙汰人百姓等、私に本色の備を忘れ、銭貨の所済を好むの間、年貢の絹布、追年不法の条、只自由の企のみに非ず、已に公損の基なり。自今以後、白河関以東は銭の流布を停止せしむべきなり。且は下向の輩の所持に於ては、商人以下慥かに禁断すべし。但し上洛の族の所持に至りては禁断に及ばず。兼ねて又、絹布の麁悪、甚だその謂なし。早く旧を存じ、所当の本様に弁じ進めしむべきの由、下知せしめ給うべきの状、仰せに依り執達、件の如し。
 暦仁二年正月廿二日      修理権大夫 判
(連署 北条時房)
  武蔵前司殿」



史料
現代語訳や解説については下記を参考にしてください
『詳説日本史史料集』(山川出版社)
『精選日本史史料集』(第一学習社)
『日本史重要史料集』(浜島書店)
『詳解日本史史料集』(東京書籍)