(s0326)
「法然と浄土宗」 |
| 『法然上人絵伝』 |
| 「上人聖道諸宗の教門にあきらかなりしかば、法相三論の碩徳、面々にその義解を感じ、天台華厳の明匠、一々にかの宏才をほむ。しかれどもなほ出離の道にわずらひて、心身やすからず、順次解説の要路をしらんために、一切経をひらき見たまふこと五返なり。一代の教迹につきて、つらつら思惟したまふに、かれもかたく、これもかたし。しかるに恵心の往生要集、もはら善導和尚の釈義をもて指南としれ、これにつきてひらき見給に、彼の釈には乱想の凡夫、称名の行によりて、順次に浄土に生すべきむねを判じて、凡夫の出離をたやすくすゝめられたり。蔵経披覧のたびに、これをいかゞふといへども、とりわき見給こと三返、つゐに一心専念弥陀名号、行住座臥問時節久近、念々不捨者、是名正定之業、順彼仏願故の分にいたりて、末世の凡夫弥陀の名号を称ぜば、かの仏の願に乗じて、たしかに往生をうべかりけりといふことはりを、おもひさだめ給ぬ。これによりて、承安五年の春、生年四十三。たちどころに余行してゝ、一向に念仏に帰し給ひにけり」 |
| 現代語訳や解説については下記を参考にしてください |
| 『詳説日本史史料集』(山川出版社) |
| 『精選日本史史料集』(第一学習社) |
| 『日本史重要史料集』(浜島書店) |
| 『詳解日本史史料集』(東京書籍) |