(s0333)
「盛者必衰の理」 |
『平家物語』 |
「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響あり。沙羅雙樹の花の色、盛者必衰の理をあらわす。驕れる人も久しからず、唯だ春の夜の夢の如し。猛き者も遂には亡びぬ、ひとへに風の前の塵に同じ。遠く異朝をとぶらへば、秦の趙高、漢の王莽、梁の周伊、唐の禄山、是等は皆旧主先皇の政にも従はず、楽しみを極め、諌めをも思ひ入れず、天下の乱れん事を悟らずして、民間の憂ふる所を知らざりしかば、久しからずして亡じにし者ども也。近く本朝を窺ふに、承平の将門、天慶の純友、康和の義親、平治の信頼、此等は驕れる心も猛き事も、皆とりどりにこそありしかども、まぢかくは、六波羅の入道前太政大臣平朝臣清盛公と申しし人の有様、伝へ承るこそ、心も詞も及ばれぬ」 |
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現代語訳や解説については下記を参考にしてください |
『詳説日本史史料集』(山川出版社) |
『精選日本史史料集』(第一学習社) |
『日本史重要史料集』(浜島書店) |
『詳解日本史史料集』(東京書籍) |