(s0334)

「随筆」

『徒然草』
「つれづれあるまゝに、日ぐらしすゞりにむかひて、心にうつりゆくよしなし事を、そこはかとなく書きつくれば、あやしうこそものぐるほしけれ。(序段)
 あだし野の露きゆる時なく、鳥部山の烟立ちさらでのみ住みつるならひならば、いかに物のあはれもなからん。世はさだめなきこそいみじけれ。
 命ある物を見るに、人ばかり久しきはなし。かげろふのゆふべをまち、夏のせみの春秋をしらぬもあるぞかし。つくづくと一年をくらすほどにも、こよなうのどけしや。あかずをしと思はば、千年を過ぐすとも、一夜の夢の心ちこそせめ。すみはてぬ世に、みにくきすがたを待ちえて何かはせん。いのちながければ辱おほし。(第7段)」



史料
現代語訳や解説については下記を参考にしてください
『詳説日本史史料集』(山川出版社)
『精選日本史史料集』(第一学習社)
『日本史重要史料集』(浜島書店)
『詳解日本史史料集』(東京書籍)