(s0363)

「建武政権の所領対策」

『相良家文書』
「左弁官下す  大宰府
 応に管肥後国に下知すべし、高時法師の党類以下朝敵与同を除くの外、諸国の輩の当時知行地、依違あるべからざるの事
右、大納言藤原朝臣宣房宣す、勅を奉るに、兵革の後、士卒民庶いまだ安堵せず、よって糸綸を降して牢篭を救わる、而るに万機事繁く施行に煩あり、しかのみならず、諸国の輩、遠近を論ぜず悉く以て京上し、徒らに農業を妨ぐるの条、還りて撫民の儀に背く、自今以後はこの法を閣かるる所なり、然らば高時法師の党類以下朝敵の輩を除くの外、当時知行の地、依違あるべからざるの由、宜しく五畿七道諸国に仰せて敢えて違失することなかるべし、但し綸旨の勅断においてはこの法に非ず、てえれば、府よろしく承知し、宣によりて之を行え、
    元弘三年七月廿六日       大史小槻宿禰
   少弁 藤原朝臣」



史料
現代語訳や解説については下記を参考にしてください
『詳説日本史史料集』(山川出版社)
『精選日本史史料集』(第一学習社)
『日本史重要史料集』(浜島書店)
『詳解日本史史料集』(東京書籍)