(s0373)
「足利氏の内部対立」 |
| 『太平記』 |
| 「古も今も、人の代を保ち家を失ふ事は、其内の執事管領の善悪による事にて候。今武蔵守・越後守の振舞にては、世中静まり得じとこそ覚て候へ。我被官の者の恩賞をも給り御恩をも拝領して、少所なる由を嘆申せば、『何を少所と嘆給ふ、其近辺に寺社本所の所領あらば、堺を越えて知行せよかし』と下知す。又罪科有て所領を没収せられたる人、縁書を以て執事兄弟に属し、『如何仕るべきか』と歎けば、『よしよし師直、そらしらずして見んずるぞ、縦如何なる御教書也とも、只押へて知行せよ』と成敗す、又正く承し事の浅猿かりしは、『都に王と云人のましまして、若干の所領をふさげ、内裏・院の御所と云所の有て、馬より下る六借さよ、若王なくて叶まじき道理あらば、木を以て造るか、金を以て鋳るかして、生たる院・国王をば、何方へも皆流し捨奉らばや』と云し浅猿さよ」 |
| 現代語訳や解説については下記を参考にしてください |
| 『詳説日本史史料集』(山川出版社) |
| 『精選日本史史料集』(第一学習社) |
| 『日本史重要史料集』(浜島書店) |
| 『詳解日本史史料集』(東京書籍) |