(s0382)
「国人一揆」 |
『松浦山代文書』 |
「 一揆契諾条々之事 一、公私において一味同心の思をなし、忠節を致すべし。或いは一人公方より 面目を失い、或いは公私につき恨をなすと雖も、一揆中において談合を加え、 衆議に依りこれを相計うべし。一人の儀を以て事を乱すべからず。 一、市・町・路頭の乗合、笠咎・酒狂・戯以下の事に依り、不慮の外に珍事出 来すと雖も、是非なく雅意に任せ、各弓箭を取り成す事、甚だ以て然るべか らず。一揆衆中馳せ寄り、理非を検じ別けしめ、その沙汰あるべし。 一、夜討・強盗・山賊・海賊ならびに諸財物田畠作物以下盗人等の事。実犯現 形せば、見合に討ち留むべし。若し支証を以て差し申す族あらば、先ず召し 取り、科は白状に依りその沙汰あるべし。 一、地頭得分の負物を抑留せしめ、或いは故なくして逃散せしむる土民百姓等 の事、相互に領内に扶持し置くべからず。 一、所務ならびに境相論の事。一揆中寄り合い、両方の文書を披見せしめ、理 非に任せ落居すべし、聊も率忽の喧嘩に及ぶべからず。 一、各下人等、主人を捨てて他村に居住せしむるの事。聞き及ぶに随いて、扶 持の領主を訴訟致すの時は、定法に任せて直ちに主人方に渡さるべし。若し 異儀あらば、一揆中の沙汰として理非を出さるべきや否や糺明すべしと云々。 一、他村に牛馬を放ち入るるの事、聞き及ぶに随いて訴訟を致すの時は、定法 に任せ互いに出さるべし。 右、条々若し偽り申し候はば、日本六十余州の大神・小神、殊には八幡大菩薩の御罰を各罷り蒙るべく候。依て一揆各契約の状、件の如し。 永徳四年二月廿三日 孔子次第 源 湛(花押) (以下45名連署省略)」 |
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現代語訳や解説については下記を参考にしてください |
『詳説日本史史料集』(山川出版社) |
『精選日本史史料集』(第一学習社) |
『日本史重要史料集』(浜島書店) |
『詳解日本史史料集』(東京書籍) |