(s0386)

「動乱期の歴史書」

『梅松論』
「去程に春宮、光厳院の御子御即位あるべしとて、大嘗会の御沙汰ありて、公家は実に花の都にてとありし。いまは諸国の怨敵、或は降参し、或は誅伐せられし間、将軍の威風四海の逆浪を平らげ、干戈と云事もきこえず。されば天道は慈悲と賢聖を加護すなれば、両将の御代は周の八百余歳にもこえ、ありその海のはまの砂なりとも、此将軍の御子孫の永く万年の数には、いかでかをよぶべきぞと法印かたり給ひける。或人是を書とめて、ところは北野なれば、将軍の栄花、梅とともに開け、御子孫の長久、松と徳をひとしくすべし。飛梅花松年旧て、まつ風吹ば梅花薫ずるを、問と花とに准らへて、梅松論とぞ申ける」



史料
現代語訳や解説については下記を参考にしてください
『詳説日本史史料集』(山川出版社)
『精選日本史史料集』(第一学習社)
『日本史重要史料集』(浜島書店)
『詳解日本史史料集』(東京書籍)