(s0402)
「狂言」 |
『二人大名』 |
「シテ さて私も、誰そ人をつれて参らうと存じてござるが、方々へさし使ふ
て一人も居り合はせませぬによって、自身太刀を持ってござる。上下 の海道へ参り、似合はしい者も通らば、太刀を持ってもらおうと存じ
まするが、何とござろうぞ。 アド これは一段とようござりましょう。… シテ 今日は能い者に出合ふて太刀をもってもらいまして、近頃悦ばしい事 でござる。 アド 能い者に出合せられて一段の事でござる。(通り)さてさて憎い奴で ござる。何と致そう。イヤ致し様がござる。がっきめ、やるまいぞ。 シテ 夫は切れ物、こちへおこせ。(通り)何のきれ物、両人とも胴切りに してやらう。 シテ・アド あぶない、あぶない、真平命を助けてくれい。(通り)なんじ ゃ、命が助かりたい。 シテ・アド なかなか。(通り)見ればよい腰の物を差いて居る。夫をよこ せ…」 |
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現代語訳や解説については下記を参考にしてください |
『詳説日本史史料集』(山川出版社) |
『精選日本史史料集』(第一学習社) |
『日本史重要史料集』(浜島書店) |
『詳解日本史史料集』(東京書籍) |