(s0408)
「蓮如の御文」 |
『蓮如上人御文章』 |
「夫人間の浮生なる相をつらつら観ずるに、おほよそはかなきものはこの世の始中終、もぼろしのごとくなる一期なり、さればいまだ万歳の人身をうけたりといふ事をきかず、一生すぎやすし、いまにいたりてたれか百年の形□をたもつべきや、我やさき人やさきけふともしらずあすともしらず、をくれさきだつ人はもとのしずくすえの露よりもしげしといへり。 されば朝には紅顔ありて夕には白骨となれる身なり、すでに無常の風きたりぬれば、すなはちふたつのまなこたちまちにとぢ、ひとつのいきながくたえぬれば、紅顔むなしく変じて、桃季のよそほひをうしなひぬるときは、六親眷属あつまりて、なげきかなしめども更にその甲斐あるべからず、さてしもあるべき事ならねはとて野外にをくりて、夜半のけぶりとなしはてぬれば、ただ白骨のみぞのこれり、 あはれというも中々をろかなり、されば人間のはかなき事は、老小不定のさかひなれば、たれの人もはやく後生の一大事を心にかけて、阿弥陀仏をふかくたのみまいらせて、念仏まうすへきものなり、あなかしこあなかしこ」 |
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現代語訳や解説については下記を参考にしてください |
『詳説日本史史料集』(山川出版社) |
『精選日本史史料集』(第一学習社) |
『日本史重要史料集』(浜島書店) |
『詳解日本史史料集』(東京書籍) |