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「日野富子と関所」

『大乗院寺社雑事記』
「文明十二年九月十六日条
一、京都の通路は一向に叶わず、土民共、七口の関の事上らるべきの由、訴訟 申すの故と云々。先日徳政の事申し出るの間、御台より方々の領主共に仰せ 付けられ、其の在所々々を御成敗の故に、先ず以て之を止め了ぬ。近年御台 の公物済済これあり。利銭御沙汰の故に、此の如き厳密の御沙汰に及び了ぬ。 然れども又、七口の関の事と号し土民など蜂起か。此の関の事も、内裏御修 理の為と号して之を立てられ、莫大の公用を納めらると雖も、修理に於ては 有名無実なり。一向御台の御物に之を成さる。上下甲乙人、迷惑珍事の関な り。
  同年十月二十三日条
一、京都七口の新関、悉く以て土民方よりこれを破り了ぬ。珍重々々。大裏修 理料と号し、この間御台に召され了ぬと云々。
 文明十三年正月十一日条
一、(中略)七口の関所の事、御台よりまた之を立てらるべしと云々。よって 近く土民共破るべきの由を申し合せ支度の間、之を立てられずと云々」



史料
現代語訳や解説については下記を参考にしてください
『詳説日本史史料集』(山川出版社)
『精選日本史史料集』(第一学習社)
『日本史重要史料集』(浜島書店)
『詳解日本史史料集』(東京書籍)