(s0525)
「足軽」 |
『樵談治要』 |
「一、足がるといふ者長く停止せらるべき事。 昔より天下乱るゝことは侍れど、足がるといふことは旧記などにもしるさゞる名目也。平家のかぶろといふ事をこそめづらしきためしに申侍れ。此たびはじめて出で来れるあしがるは超過したる悪党なり。その故は洛中洛外の諸社・諸寺・五山十刹・公家・門跡の滅亡はかれらが所行なり。かたきのたてこもりたらん所におきてはちからなし、さもなき所所をうちやぶり、或は火をかけて財宝をみさぐる事は、ひとへにひる強盗といふべし。かかるためしは先代未聞の事也。これはしかしながら武芸のすたるる所に、かかる事は出で来れり。名あるさぶらひのたたかふべきところを、かれらにぬききせたるゆへなるべし。されば随分の人のあしがるの一矢に命をおとして、当座の恥辱のみならず、末代までの瑕瑾を残せるたぐひもありとぞ聞へし、いづれも主のなきものは有べからず。向後もかゝることあらば、をのをの主々にかけられて糺明あるべし。又土民商人たらば、在地におほせ付られて罪科有べき制禁ををかれば、千に一もやむ事や侍べき。さもこそ下剋上の世ならめ。外国の聞えも恥づべき事成べし」 |
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現代語訳や解説については下記を参考にしてください |
『詳説日本史史料集』(山川出版社) |
『精選日本史史料集』(第一学習社) |
『日本史重要史料集』(浜島書店) |
『詳解日本史史料集』(東京書籍) |