(s0527)

「朝廷の窮乏」

『遺老物語』
「後奈良院宸筆之物世に多きはことはりなり。此時公家以ての外に微々にして紫宸殿之御築地やぶれて、三条之橋より内侍所の御あかしの光見へしとなり。左近の橘之もとには煎もの居てあきのふ。其例によって、其茶うりし人の子孫とも、年に一たび天子に茶を奉るといふ。此時銀など様の物に札つけて、たとへば百人一首、伊勢物語などいふ札つけて御簾に結びつけておくに、日を経てのちまいれば、宸筆を染てさし出されたりといふ。此比は京中を関白料とて袋にて米をもらふてあるきし。其袋今も二条殿にありとかやいふ」



史料
現代語訳や解説については下記を参考にしてください
『詳説日本史史料集』(山川出版社)
『精選日本史史料集』(第一学習社)
『日本史重要史料集』(浜島書店)
『詳解日本史史料集』(東京書籍)