(s0551)

「長篠の戦い」

『信長公記』
「信長は、家康陣所の高松山とて小高き山御座候に取り上げられ、敵の働きを御覧じ、御下知次第働くべきの旨、兼ねてより仰せ含まれ、鉄砲千挺ばかり、佐々木蔵介・前田左衛門・野々村三十郎・福富平左衛門・塙九郎衛門を御奉行として、近々と足軽を懸けられ、御覧じ候。前後より攻められ、御敵も人数を出だし候。一番、山懸三郎兵衛、推し太鼓を打ちて、懸かり来たり候。鉄砲を以て、散々に打ち立てられ、引き退く。二番に、正用軒入れ替へ、かゝればのき、退けば引き付け、御下知の如く、鉄砲にて過半人数うたれ候へば、其の時、引き入るゝなり。三番に、西上野の小幡一党、赤武者にて、入れ替へ懸かり来たる。関東衆、馬上の攻め者にて、是れ又、馬入るべき行にて、推し太鼓を打ちて、懸かり来たり、人数を備え候。身がくしとして、鉄砲にて待ち請け、うたせられ候へば、過半打ち倒され、無人になりて、引き退く。四番に、典厩一党、黒武者にて懸かり来たる。かくの如く、御敵入れ替へ候へども、御人数一首も御出でなく、鉄砲ばかりを相加へ、足軽にて会釈、ねり倒され、人数をうたせ、引き入るゝなり。五番に、馬場美濃守推し太鼓にて、かゝり来たり、人 数を備へ、右同断に勢衆うたれ、引き退く」



史料
現代語訳や解説については下記を参考にしてください
『詳説日本史史料集』(山川出版社)
『精選日本史史料集』(第一学習社)
『日本史重要史料集』(浜島書店)
『詳解日本史史料集』(東京書籍)