(s0580)

「秀吉の外征計画」

『耶蘇会の日本年報』
「彼は、日本全国を征服して今の地位に達し、国も金銀も十分に所有する故、他の何物も得ることを望まず、唯死したる後、おのれの名の権勢の評判を残さんとするのみである。彼は日本の事を処理して安定せしめた後、その兄弟美濃殿にこれを譲り、おのれは朝鮮及び支那国を征服するために渡航する決心をした。しかして、そのため樹木を伐って二千艘の船を造り、この船で軍隊を渡航せしむるであろう。彼がパードレ達に求むる助力は、十分艤装した大なる帆船二隻を調えることである。これは贈与を望むのでなく、相当代価を支払い、必要なものは悉く備付け、乗組の船員は優良なものを選ぶことを望むが、これに収入と銀を与えるであろう。若しこの出征中に死しても彼は少しも厭はぬ。既に述べた通り彼は名を残し、日本の君が今まで嘗て企てなかった事をする外に望みがないからである」



史料
現代語訳や解説については下記を参考にしてください
『詳説日本史史料集』(山川出版社)
『精選日本史史料集』(第一学習社)
『日本史重要史料集』(浜島書店)
『詳解日本史史料集』(東京書籍)