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「緒戦の勝利」

『前田家文書』
「  覚
 一、殿下陣用意、由断有るべからず候。来年正二月比、進発為るべき事。
 一、高麗都去二日落去候。然る間いよいよきっと御渡海成され、此度大明国 迄も残らず仰せ付けられ大唐の関白職御渡し成さるべく候事。…
 一、人数三万召連れるべく候。兵庫より船にて相越さるべく候。馬ばかり陸 地差越され候事。
 (中略)
 一、大唐の都へ叡慮移し申すべく候。其の御用意有るべく候。明後年行幸た るべく候。然れば都廻りの国十ケ国これを進上すべく候。其内に諸公家衆 何れ知行仰せ付けらるべく候。下の衆は十増倍たるべく候。其の上の衆は 仁躰に依るべく事。
 一、大唐関白、右仰せられ候如く秀次江譲らるべく候。然れば都廻り百ケ国 渡し成さるべく候。日本関白は大和中納言、備前宰相両人の内、覚悟次第 仰せ出さるべき事。
 一、日本帝位の儀、若宮、八条殿何れにも相究めらるべき事。
 一、高麗の儀は、岐阜宰相歟、然らざれば備前宰相を置かるべく候。然れば 丹波中納言は九州に置かるべく候事。
 一、高麗国、大明までも、御手間入らず仰せ付けられ候。…
   天正二十年五月十八日     秀吉 朱印
          関白殿               」



史料
現代語訳や解説については下記を参考にしてください
『詳説日本史史料集』(山川出版社)
『精選日本史史料集』(第一学習社)
『日本史重要史料集』(浜島書店)
『詳解日本史史料集』(東京書籍)