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「天草のキリシタン版」

『日本巡察記』
「これらの諸島は、アグスティン摂津守が半がを有する肥後国に属している為に、その支配下に入り、この迫害の時代、特に現在、関白殿が下にいるので、同諸島はイエズス会の避難所となり修道士達にとって有名なのである。すなわち、そこには5つの司祭館があるほか、学院が天草に移された。当時、学院は他の場所にはなかったのであるが、イエズス会員の50名以上がそこの居り、なかんずく約40名は修学中の学生である。(中略)異教徒は誰も天草に入れないから、そこで司祭や修道士達は自由であり、日本の他のいかなる地よりも気侭に振舞えるのである。同所では印刷が行われ、日本字やローマ字で毎日新しい書物が出来上がっているが、それらの書物ひよって我々の関係者にも、また一般のキリスト教徒にも大きな助けと利益が与えられている」



史料
現代語訳や解説については下記を参考にしてください
『詳説日本史史料集』(山川出版社)
『精選日本史史料集』(第一学習社)
『日本史重要史料集』(浜島書店)
『詳解日本史史料集』(東京書籍)