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「禁中並公家諸法度」

『徳川禁令考』
「一、天子御芸能之事、第一御学問也。…
一、三公の下は親王、(中略)親王の次は前官大臣、(中略)その次は諸親 王、但し儲君は格別たり。前官大臣、関白職再任の時は摂家の内、位次た るべき事。
一、清華の大臣辞表の後、座位は諸親王の次座たるべき事。
 一、摂家たりと雖も、その器用無き者は、三公・摂関に任ぜらるるべからず。 況んやその外をや。
 一、器用の御仁躰、老年に及ばるるといへども、三公摂関辞表あるべからず。 但し辞表ありといへども、再任あるべき事。
一、養子は連綿、但し同姓を用ひらるべし。女縁者の家督相続、古今一切こ れなき事。
 一、武家の官位は、公家当官の外たるべき事。
 一、改元は漢朝の年号の内、吉例を以て相定むべし。…
 一、天子の礼服は大袖・小袖・裳・御紋十二象、御袍・麹塵・青色、(中略) 仙洞御袍、赤色□或ひは甘御衣、大臣袍、□異文、小直衣(中略)。
一、諸家昇進の次第はその家々旧例を守り申上ぐべし。
 一、関白・伝奏并びに奉行職等申渡す儀、堂上地下の輩、相背くにおひては、 流罪たるべき事。
一、罪の軽重は名例律を守らるべき事。
 一、摂家門跡は親王門跡の次座たるべし。
 一、僧正・門跡・院家は先例を守るべし。平民に至りては、器用卓抜の仁、 希有にこれを任ずるといへども、准僧正たるべき也。
一、門跡は僧都・法印任□の事、尚以て器用を相撰び沙汰を申すべき事。
 一、紫衣の寺は、住持職、先規希有の事也。近年猥りに勅許の事、且は臈次 を乱し且は官寺を汚す、甚だ然るべからず。向後においては、其の器用を 撰び、戒臈相積み、智者の聞こえあらば、入院の儀申儀申沙汰有るべき事。
一、上人号の事、碩学の輩は、本寺として正確の差別を撰み申上ぐるにおひ ては、勅許なさるべし。
 右此の旨相守らるべき者也。
   慶長廿年乙卯七月 日  
昭実
秀忠
家康」



史料
現代語訳や解説については下記を参考にしてください
『詳説日本史史料集』(山川出版社)
『精選日本史史料集』(第一学習社)
『日本史重要史料集』(浜島書店)
『詳解日本史史料集』(東京書籍)