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「安南国への書瀚」

『異国日記』
「日本国源家康、安南国統兵元帥瑞国公に復章す。信書落手、巻舒再三、本邦長崎より発する所の商船、其の地に於て逆風舟を破り、凶徒人を殺せば、国人宜しく教誡せしむ。足下今に至りて舟人を撫育するは、慈恵の深きなり。異国遺産、目録の如くこれを収む。夫物、遠至を以て罕見珍となす。今や吾邦四辺無事、群国昇平也。商人往返、滄海陸地、逆政あるべからず。心を安んずべし。本邦の舟、異日其の地に到り、此の書印を以て証拠となすべし。無印の舟は、これを許すべからず。弊邦の兵器、聊かもれを投贈す。実に千里鵝毛なり。時に孟冬、保稟珍重。
  慶長六年辛丑小春日
          御印」



史料
現代語訳や解説については下記を参考にしてください
『詳説日本史史料集』(山川出版社)
『精選日本史史料集』(第一学習社)
『日本史重要史料集』(浜島書店)
『詳解日本史史料集』(東京書籍)