(s0667)

「町人の台頭」

『世間胸算用』
「一   銀壱匁の講中
 人の分限になる事、仕合といふ言葉、まことは面々の智恵才覚を以てかせぎ出し、其家栄ゆる事ぞかし。是福の神のゑびす殿のまゝにもならぬ事也。大黒講をむすび、當地の手前よろしき者共集り、諸国の大名衆への御用銀の借入の内談を、酒宴遊興よりは増たる世の慰みとおもひ定めて、寄合座敷も色ちかき所をさって、生玉、下寺町の客庵を借りて、毎月身躰詮議にくれて、命の入日かたぶく老躰ども、後世の事はわすれて、只利銀のかさなり、富貴になる事を楽しみける」



史料
現代語訳や解説については下記を参考にしてください
『詳説日本史史料集』(山川出版社)
『精選日本史史料集』(第一学習社)
『日本史重要史料集』(浜島書店)
『詳解日本史史料集』(東京書籍)