(s0694)
「男尊女卑」 |
| 『女大学』 |
| 「一、夫、女子は成長して他人の家へ行き、舅・姑に仕るものなれば、男子よ
りも、親の教ゆる がせにすべからず。(中略) 一、女は容よりも、心の勝れるを善とすべし。(中略) 一、女子は稚時より、男女の別を正しくして、仮初にも戯たることを見聞し むべからず。古しへの礼には男女は席を同じくせず。(中略) 一、(中略)一度嫁しては、其の家を出ざるを、女の道とすること、古しへ 聖人の訓なり。若し女の道にそむき、去るゝ時は、一生の恥なり。されば 婦人に七去とて、悪きこと七あり。一には、�gには順ざる女は去べし。二 には、子なき女は去べし。是妻を娶は、子孫相続の為なればなり。(中略) 三には、淫乱なればさる。四には、悋気ふかければさる。五に、癩病など の悪き疾有ればさる。六に、多言にて慎なく、物いひ過は、親類とも中悪 くなり、家みだるゝものなれば去べし。七には、物を盗む心あるはさる。 此の七去は、皆聖人の教なり。女は一度嫁して、其の家をだされては、仮 令ふたゝび富貴なる夫に嫁すとも、女の道にたがひて、大なる辱なり。 一、女子は、我家にありては、わが父母に専孝を行ふ理なり。されども夫の 家に行ては、専をわが親よりも重じて、厚く愛しみ敬ひ、孝行を尽すべし。 親の方を重じ、舅の方を軽ずることなかれ。�gの方の朝夕の見まひを闕べ からず。�gの方の勤べき業を怠るべからず。若の命あらば、慎行て背べか らず。万のこと舅・姑に問て、其の教に任すべし。舅・姑もし我を憎み誹 給ふとも、怒恨ることなかれ。孝を尽して誠をもってつかゆれば、後はか ならず中好なるものなり。 一、婦人は別に主君なし。夫を主人と思ひ、敬ひ慎て事べし。軽しめ侮るべ からず。惣じて婦人の道は、人に従ふにあり。夫に対するに、顔色言葉づ かひ慇懃に謙り、和順なるべし。不忍にして不順なるべからず。奢て無礼 なるべからず。これ女子第一の勤なり。夫の教訓あらば、其の仰を叛べか らず。疑しきことは夫に問て、その下知に随ふべし。夫問こと有ば、正し く答ふべし。其の返答疎なるは、無礼なり。夫若し腹立怒ときは、恐れて 順べし。怒靜て、その心に逆べからず。女は夫をもって天とす。返々も夫 に逆ひて、天の罰を受べからず。 (中略) 一、女は常に心遣して、其の身を堅く謹み護るべし。朝は早く起き、夜は遅 く寝、昼はいねずして、いゑの内の事に心を用ひ、織・縫・績・緝、怠る べからず。亦茶・酒など多く呑べからず。歌舞伎・小歌・浄るりなどの淫 れたる事を、見聴べからず。宮・寺など、都て人のおほくあつまる処へ、 四十歳より内は、余りに行べからず。(中略) 一、凡婦人の心様の悪き病は、和ぎ順ざると、怒恨ると、人を謗ると、物妬 と、智恵浅きとなり。此の五疾は、十人に七八は必あり。是婦人の男に及 ばざる所なり。自顧戒て改去べし。中にも智恵の浅ゆへに、五の疾も発る。 女は陰性なり。陰は夜にて暗し。所以女は男に比るに、愚にて目前なる可 然ことをも知らず。又人の誹るべきことをも弁へず。わが夫、わが子の災 と成べき事をも知らず。科もなき人を怨み、怒□詛、あるひは人を妬にく みて、わが身独立んと思へど、人に憎まれ疎まれて、みな我身の仇となる ことを知らず、最はかなく浅猿し。子を育つれ共、愛に溺れて習はせ悪し。 斯愚なる故に、何事も我身を謙て、夫に従べし」 |
| 現代語訳や解説については下記を参考にしてください |
| 『詳説日本史史料集』(山川出版社) |
| 『精選日本史史料集』(第一学習社) |
| 『日本史重要史料集』(浜島書店) |
| 『詳解日本史史料集』(東京書籍) |