(s0708)
「鴻池新田」 |
| 『鴻池文書』 |
| 「 差上げ申す一札の事 一、新開池堤敷共御新田、此度、大坂京橋壱丁目大和屋六兵衛・河州中垣内村 長兵衛申し請けられ候場所二百二拾一町四反五畝の所、下々として相対仕り、 私譲り請け申し候。これに依て、右御地代金一万二千七百三十三両一歩二朱、 但し一反に付五両三歩の積り、来月十日迄の内私方分急度上納仕るべく候。 尤も諸色、私共自分入用を以て開発仕立て申すべく候。御定の通り、当酉の 年より亥の年迄三ケ年御年貢御赦免下さるべく候。四年目子の年より御検地 を請け、其の年より御年貢滞りなく急度上納仕り候。并びに諸般の儀も、何 時成り共仰付けられ次第相勤申すべき事。 一、右御新田、御定の通り開発仕らず、少し成り共麁抹に仕置候はば、御新田 召し放たれ、如何様の御科にも仰付けらるべく候事。 一、用水・悪水の樋、并びに堤又は道・橋、用水・悪水の井路仕立申し候共、 残らず自分入用を以て仕るべく候。且又御新田開発作人仕付け申し候節、御 法度の宗門能々吟味仕り、慥かなる者に申付くべき事。 一、右の御新田開発以後、万一御用地に召上げげられ候儀も御座候はば、異儀 なく差上げ申すべく候事。 右の通り御新田御請負仰付けられ候上は、諸事御定の通り相守り申すべく候。万一請負の者共の内、如何様の儀御座候て御新田相続成りがたき候儀出来仕り候はば、其の加判の者共、急度相続仕り、御請負の通り相勤め申すべく候。少し成り共、相違の儀御座候はば、御新田召上げられ、請負人は申上ぐるに及ばず、加判の者共迄如何様の曲事にも付けらるべく候。其のため証文差上げ申し候。依て件の如し。 宝永二年酉閏四月 御新田請負人 大坂今橋二丁目 鴻池屋 善右衛門 右同断 善次郎 加判 同平野町壱丁目 加賀屋 弥右衛門」 |
| 現代語訳や解説については下記を参考にしてください |
| 『詳説日本史史料集』(山川出版社) |
| 『精選日本史史料集』(第一学習社) |
| 『日本史重要史料集』(浜島書店) |
| 『詳解日本史史料集』(東京書籍) |