(s0715)
「武士道」 |
『葉隠』 |
「一、武士たる者は、武道を心懸くべき事、珍しからずといへども、皆人油断
と見へたり。其の子細は、『武道の大意は何と御心得候哉』と問懸たる時、 言下に答る人稀なり。兼々胸に落着なき故なり。偖は、武道不心懸のこと
知られ申し候。油断千万の事なり。 一、武士道と云は、死ぬ事と見付たり。二つ二つの場にて、早く死方に片付 ばかりなり。別に子細なし。胸すわって進むなり。図に当たらず、犬死な どいふ事は、上方風の打上りたる武道なるべし。二つ二つの場にて、図に 当たるやうにする事は及ばざる事なり。我人、生る方がすきなり。多分す きの方に理が付べし。若し図に迦れて生たらば、腰ぬけなり。此の境危き なり。図に迦れて死たらば、気違にて恥には成らず。是が武道の丈夫なり。 毎朝毎夕、改めては死々、常住死身に成りて居る時は、武道に自由を得、 一生落度なく家職を仕課すべきなり」 |
![]() |
現代語訳や解説については下記を参考にしてください |
『詳説日本史史料集』(山川出版社) |
『精選日本史史料集』(第一学習社) |
『日本史重要史料集』(浜島書店) |
『詳解日本史史料集』(東京書籍) |