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「大坂の発展」

『大阪市史』
「天保十三年条
大坂表の儀は諸国取引第一の場所にて、諸色の儀土地産物と申すはこれなく、何れも諸国より積廻し候分、何品に寄らず、其の筋の問屋商人等手広に引受け売買いたし、江戸其の外諸国入用の品も、多分大坂より積送り、其の先々の不足を補ひ、諸色平均相場の元方にて、諸色見競相成り、金銀融通も宜しく候に付、世俗に諸国の台所と相唱へ、取引多端の所柄にこれあり。右国々仕入方の儀は、重立ち候品々は申すに及ばず、日用聊かの品にても、大坂取引に相成り候ては、少分の儀とは申し難く、夫々同所え積廻し売捌き来候儀にて、其の筋々の町人共も、先繰に仕入先貸銀等差出し、追追引受け候荷物にて差引勘定致し、又は後日積送るべき由の荷物を引当にいたし、金銀貸出し候分もこれあり。国々の者は右金銀を以て、国許入用の品大坂にて売調へ持下り候類も少なからず。遠国とは申しながら、地内同前の取引にて、双方合体の場合より、荷主船頭の気向きも相進み、大坂仕入れの荷物にこれなく候共、専ら同所を目当に積廻し来たり候に付ては、諸色潤沢に及び、高直の品も下直に押移り、諸民の助けにも相成り、弥増に取引多端に及び、土地の繁栄は勿論、大坂より諸国え積送り候分も、右に准 じ手厚に行届き、夫々相持ちに融通し」



史料
現代語訳や解説については下記を参考にしてください
『詳説日本史史料集』(山川出版社)
『精選日本史史料集』(第一学習社)
『日本史重要史料集』(浜島書店)
『詳解日本史史料集』(東京書籍)