(s0736)
「町人の大名貸」 |
| 『経済録拾遺』 |
| 「近来諸侯大小となく、国用不足にして貧困する事甚し。家臣の俸禄を借る事、少なきは十分の一多きは十分の五六なり。それにて足らざれば、国民より金を出さしめて急を救ふ、猶足らざれば、江戸、京、大坂の富商大賈の金を借る事、年々に巳まず。借るのみにて返すこと罕なれば、子亦子を生みて、宿債増多すること幾倍といふことを知らず。昔熊沢了介が海内諸侯の借金の嵩は、日本に在らゆる金の数に百倍なるべしといへるは、寛文・延宝の年の事なり。其れより七十年を経ぬれば、今は千倍なるべし。今諸侯の借金を如く償はんとせば、有名無実の金何れの処より出んや、然れば只如何にもして、当前の急を救ひて、其の日その時を過ごすより外の計なし」 |
| 現代語訳や解説については下記を参考にしてください |
| 『詳説日本史史料集』(山川出版社) |
| 『精選日本史史料集』(第一学習社) |
| 『日本史重要史料集』(浜島書店) |
| 『詳解日本史史料集』(東京書籍) |