(s0778)

「武士の窮乏」

『経済録』
「今の世は諸侯は大も小も皆首をたれて町人に無心をいひ、江戸、大坂、其外処々の富商を馮んで、其の続ケ計にて世を渡る。邑入をば悉く其方に振向け置て、収納の時節には子銭家より倉を封ずる類也。子銭家とは金銭を借す者を云ふ。邑入にて償ひて猶足らず、常に債を責められ其の罪を謝するに安き心もなく、子銭家を見ては鬼神を畏るる如く、士を忘れて町人に俯伏し、或は重代の宝器を典当して時の急を免がれ、家人をば飢さして子銭家をば珍膳にて饗し、或は子銭家とて故もなき商賈の輩に禄俸を与へて家臣の列に入れ、或は貰りたる物の直を償はず」



史料
現代語訳や解説については下記を参考にしてください
『詳説日本史史料集』(山川出版社)
『精選日本史史料集』(第一学習社)
『日本史重要史料集』(浜島書店)
『詳解日本史史料集』(東京書籍)