(s0794)

「松平定信と譜代大名」

『宇下人言』
「在国中成功もありしかば、みなみなうちつどひて『その事きかまほし』『いかにしてか、よからん』『政はいかがぞ』と日々のやうに松平紀伊守・本弾正・肥後、戸采女正・松平伊豆守・堀田豊前守・加納備中守・牧野備前守・牧野佐渡守・松平越後守・奥平大膳大夫らみなみなしたひきて刎頚の交をなす。よてけうおう・ちそうなどなす事もなく、終中膝を交へて人道政事の事を物語なす。予させる事もいはず、ただただ大君の為によろしき人を出かし奉らん。これのみの願ひなればさまざまと心をくだきて教へ導きけり。いづれもいづれも聡明の諸侯なりければ、政務なんど残る処なくなして、ことしごろは采女、備中、紀伊守、弾正、肥後などよほど都下に名を発したり」



史料
現代語訳や解説については下記を参考にしてください
『詳説日本史史料集』(山川出版社)
『精選日本史史料集』(第一学習社)
『日本史重要史料集』(浜島書店)
『詳解日本史史料集』(東京書籍)