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「棄捐令」

『御触書天保集成』
「   寛政元酉年九月 大目付え
此度御蔵米取御旗本御家人勝手向御救のため、蔵宿借金仕法御改正仰せ出され候事
一、御旗本御家人蔵宿共より借入金利足の儀は、向後金壱両ニ付銀六分宛の積 り、利下ゲ申し渡し候間、借り方の儀は是迄の通り蔵宿と相対に致すべき事
一、旧来の借金は勿論、六ケ年以前辰年までニ借請候金子は、古借新借の差別 無く、棄捐の積り相心得べき事。(中略)
一、去る巳年以来、当夏御借米以前迄の借用金済まし方の儀は、元金の多少に 拘らず、向後壱ケ月五拾両壱分の利足を加へ、高百俵に付壱ケ年元金三両づ つの済まし方勘定相立て、尤も百俵内外共并借金高済まし方割合の儀も右に 准べき事…
  右ケ条の趣、向後堅く相守り、御旗本御家人とも成るべく丈、借金高相増さざる様心掛け申すべく候。前条の通り、借金棄捐利下げ等仰せ出され候上は、一統猶更厚く相慎み、倹約等別して心掛け申すべく候。右体の御仁慈をも相弁へず、不正の事聊にても之れ有るに於ては、急度御咎仰せ付けらるべく候。勿論是迄の借金棄捐並済方等に儀に付、異論ケ間敷儀これ無く候様、明白に対談致すべきもの也。
   寛政元年九月
 右の趣、万石以下の面々江相触れらる可く候」



史料
現代語訳や解説については下記を参考にしてください
『詳説日本史史料集』(山川出版社)
『精選日本史史料集』(第一学習社)
『日本史重要史料集』(浜島書店)
『詳解日本史史料集』(東京書籍)