(s0809)

「寛政改革の批判」

『□策雑収』
「越中守御老中仰付けられ、主殿頭の悪習をため直さんと仕り候。志はよろしく候へ共、世人初めて見込み候と違ひ器量少く、学問に名これ有り候てもいまだ文面にかかわる事をまぬかれず。世を安んずくべき深意の会得疎にて、片端より押直さんと仕り、たとへば手にてもみ立て候如く瑣細に取動し候故、大小の罪科夥しく出来り、猶も隠密・横目のもの、いたらざるくまもなく穿鑿し出し、諸事疑心をはなれ候はこれ無く、利を専一と仕り候事は主殿頭に上越し、聚□益々重く、士民一同大に天下なり、民の心を以て心とする事とこれ有り候得ば、たとへ名目と理窟とは尤もに当り候ても、天下の人心にかなひ申さず候ては、決て善政には御座なく候。主殿頭人の心服を失ひ候上、越中守にて益々人心信服これなく怨み歎き候へば、形容は大に替り候ても、天下の御不為は、越中守は主殿頭の二の舞とも申すべく候」



史料
現代語訳や解説については下記を参考にしてください
『詳説日本史史料集』(山川出版社)
『精選日本史史料集』(第一学習社)
『日本史重要史料集』(浜島書店)
『詳解日本史史料集』(東京書籍)