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「山県大弐の放伐論」

『柳子新論』
「苟も害を天下になす者は、国君といへども必ずこれを罰し、克たざれば則ち兵を挙げてこれを討つ。故に湯の夏を伐ち、武の殷を伐つ、また皆その大なる者なり。ただその天子より出づれば、則ち道ありとなし、諸侯より出づれば、則ち道なしとなす。況やその群小より出づる者をや。故に善くこれを用ふれば則ち君たり、善くにこれを用ひざれば則ち賊たり。さきに湯武をして志いたづらにその害を除くにあり、而してその利を興すに心なからしめんか、これまた争奪己を利するのみ。何を以て仁をなさんや。この故に湯武の放伐は無道の世にありて、尚能く有事の事をなせば、則ち此は以て君となし、彼は以て賊となす。たとひその群下にあるも、善くこれを用ひて以てその害を除き、而して志その利を興すにあれば、則ち放伐もまた且つ以て仁となすべし」



史料
現代語訳や解説については下記を参考にしてください
『詳説日本史史料集』(山川出版社)
『精選日本史史料集』(第一学習社)
『日本史重要史料集』(浜島書店)
『詳解日本史史料集』(東京書籍)